大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和32(ヤ)25 判決

主 文

本件再審の訴を却下する。

再審の訴訟費用は再審原告の負担とする。

理 由

再審原告代理人弁護人安部明の再審理由第一、二点について。

しかし、所論上告理由を閲するに、上告人(再審原告)は右理由において所論の

点につき上告裁判所の判断を求めたものとは必ずしも認められないところ、元来上

告裁判所は上告の理由に基き不服申立の限度においてのみ調査をなすを以て足るも

のであるから(民訴四〇二条参照)、上告審が所論の点につき、何ら言及しなかつ

たのは当然であり、従つて上告判決には所論判断の遺脱ありというを得ず、所論判

例は本件に適切でない。故に所論は採用の限りではない。

同第三点について。

しかし、記録を閲するに所論上告理由釈明補充書は民訴三九八条民事訴訟規則五

〇条所定の期間経過後に提出された不適法のものであるから、上告審が右補充書記

載の所論の点に対し何ら判断を示さなかつたのは当然であり(昭和四年(オ)六一

五号同年一二月一二日判決大審院民事判例集八巻九三二頁以下参照)、従つて上告

判決には所論判断の遺脱があつたものというを得ず、所論もまた採用の限りでない。

よつて、本件再審の訴はこれを却下すべきものとし、民訴四二三条、九五条、八

九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 高 木 常 七

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